龍と鳳凰

 龍も鳳凰も本来は、中国における想像上の動物であり、皇帝や皇后の象徴であります。
 そのようなことから、仏教がインドから伝わる際に、仏教の守護神であったインド神話以来のナーガとガルーダ(迦楼羅)が、それぞれ龍と鳳凰に当てられて翻訳されてきました。
 龍は、釈尊が誕生された際に守護をしたと伝えられます。
また、鳳凰は悪龍を食べて退治する聖鳥と考えられてきたことにより、仏教では衆生の煩悩を食らう迦楼羅天として仰がれています。
親鸞聖人は、「浄土和讃」に、
  南無阿弥陀仏をとなふれば
  難陀・跋難大竜等
  無量の竜神尊敬し
  よるひるつねにまもるなり
と、他力念仏を喜ぶ人々の守護神として龍を詠まれます。
 また、親鸞聖人が「和国の教主(日本のお釈迦様)」と仰がれた聖徳太子の著述とされる『法華義疏』には、「迦樓羅は金翅鳥と言います。羽と頭が金色であるからです。『海龍王経』には鳳凰と翻訳しています。大威徳迦樓羅王と言われるのは、龍を食べる時に、大威徳があるから、そのように呼ばれるのです」と説明されています。
 なお、この絵は本願寺派正光寺の余間壇壁画に描かれているものです。