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降誕会(ごうたんえ)について

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降誕会とは、親鸞聖人のご誕生を奉祝慶讃する法要です。親鸞聖人は、承安3年(1173年)5月21日(新暦)、日野有範公の子として京都日野の里にご誕生なさいました。

その頃の世相は、平清盛の娘・徳子が高倉天皇の中宮となり、まさしく「平家にあらずんば人にあらず」と平家が栄華を極め、貴族社会から武家社会へ大きな転換期でありました。聖人がご誕生になった日野家は貴族の藤原一門で、有範公そして聖人をはじめ4人の弟様が出家しなければならなかったという経緯からも、苦渋に満ちた現実があったものと思われます。

聖人2才の承安5年(1175年)には、聖人の生涯の恩師である法然聖人が、比叡山を下りて吉水に庵を結び、専修念仏の教えを弘め始められました。親鸞聖人が9才で出家お得度され比叡山へ登り、29才で自力聖道門と決別し比叡山を降り、法然聖人の専修念仏へ帰入されるまで、まだ27年の歳月が必要だったのです。

また、聖人ご誕生の同年には、華厳宗中興の祖である明恵上人もご誕生なさいました。上人は、後に法然聖人の専修念仏に対して厳しい批判をされ、『摧邪輪(ざいじゃりん)』を著された方であります。一説には、この『摧邪輪』に対して、法然聖人の専修念仏の正当性をあきらかにするために、親鸞聖人が『教行信証』を著述されたとも言われております。聖人のご誕生より始まる90年間の苦難のご生涯は、まさしく末法五濁の時代に生きる私達に、速やかに悟りへ至る本願他力の法門をあきらかにされるためのご一生であり、この親鸞聖人のご誕生を、謹んでお慶び申し上げる法要が降誕会であります。

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中央仏教学院降誕会

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